マーケ@ITが考えるデジタルマーケティング
~広すぎるコンセプトは、こう理解せよ!~

マーケ@ITが考えるデジタルマーケティング ~広すぎるコンセプトは、こう理解せよ!~

「デジタルマーケティング」という言葉を聞いた時に、マーケティング部門や、情報システム部門の人ならば、その意味は何となくでもわかるという人が多いことでしょう。しかし、「デジタルマーケティング」の範囲はあまりに広いうえ、多岐に渡るため、各人、意見の相違があるかもしれません。

そこでマーケ@ITでは、デジタルマーケティングをこう考えました。
──企業に必要なデジタルマーケティングとは、「個別施策としてのデジタルマーケティング」ではなく、「統合型デジタルマーケティング」であること。
では、「統合型」とはどのようなものなのでしょうか?
企業のマーケティングやシステム導入・運用等に携わる方にぜひ、お読みいただきたい内容です。

1.「統合型」デジタルマーケティングとは、何を統合する?

企業に必要なのは「統合型」デジタルマーケティング、と述べましたが、一体、何を統合すべきなのでしょうか。統合するものとして考えたいのは、大きく次の3つです。

(1)個別のマーケティング・販促施策
(2)システム
(3)チャネル

まずはこの3つの視点から、統合型デジタルマーケティングについて考えてみましょう。

(1)個別のデジタルマーケティング・販促施策の統合

そもそも「デジタルマーケティング」というと、「Web広告」や「LPのABテスト」、「SFA」などと考える人もいるくらい、その言葉には多様な内容を含んでいます。こうした施策をすべて統合し、大きな目標のもとに施策を行っている、と考えるのが、「統合型デジタルマーケティング」の最も重要なポイントです。
もし、Web広告、販促、広報、サポート、営業…などそれぞれの施策が、目先の目的にのみとらわれているとしたら問題です。

例えば、あるWeb施策の目的が、新規リード獲得だったとします。そのため、「リードが集まればよい」と、プレゼントなどを用意して目標数を大きく超えるリードを獲得したとします。しかし、せっかく集めても最終的に売り上げにつながりにくいリードばかりだとしたら意味はありません。

個別の施策の目標ばかり見て、企業としての売上につながらなくなっている、というのでは意味がありません。最終的にどうやったら、企業の売上に結び付くのか、その視点から目標が設定されることになります。そのために、すべての施策をデジタル化し、統合的に判断することが必要となるのです。特に、マーケティングから営業までが一気通貫であることが求められています。

(2)システムの統合

企業のシステムは、サイロ型と呼ばれる通り縦割りになっているケースも少なくありません。もし、タッチポイントごとに異なるシステムで運用しているようなケースがあれば、それは統合して一元的に管理する必要があるでしょう。
WebサイトやSNS、スマートフォンなどのモバイル端末、店頭販売、カスタマーサポート、POS(販売時点情報管理)、営業パーソン、屋外広告といったリアルの接点まで、データを蓄積し、分析できるプラットフォームを構築すること。このようにシステムを統合することで、下記に紹介するようなオムニチャネル環境の実現へとつながることでしょう。

(3)チャネルの統合

マルチチャネルと呼ばれるように、今や企業と消費者のタッチポイントは多岐に渡るようになりました。この時、個別のタッチポイントの情報を統合することで、顧客満足度は大きく向上することになります。
具体的には次のようになります。

ある商品のユーザーAさんが、サポートセンターにWebで問い合わせをし、回答を得ました。その時は解決しましたが、さらに別の問題が生じてAさんは今度は電話で相談することにしました。すると電話の窓口で、「昨日、Webで○○の件でお問い合わせをいただいたA様ですね」と、これまでの状況を理解した上で、対応してもらえたのです。さらに、実店舗に行っても、それまでの流れを把握したスタッフに対応してもらえることになりました。
このように、すべてのチャネルでAさんの状況が把握されているような環境をつくることが必要です。こうした考え方をオムニチャネルと呼びます。

これまでは、Web、電話、実店舗などで情報がバラバラだったり、リアルタイムでの共有が難しいケースも多々ありましたが、それでは顧客満足度に悪影響を及ぼしかねません。マルチチャネルから、オムニチャネルへの転換が求められているのです。

2.なぜデジタルマーケティングは、「統合型」であるべき?

次に、デジタルマーケティングが統合型であるべき理由について考えます。ここでは、大きく3つのポイントについて取り上げます。

(1)KKDの限界

「KKD」とは「勘・経験・度胸」という3つを略した言葉です。かつてはこうした長年の経験や事例などからプロジェクトを進めるというケースもありました。しかし、対応が属人化してしまい、全社的なプロジェクトとして推進しにくくなったりするデメリットも生じます。企業の目的に向かって、すべての部署などで一貫して推進していくためにも、データ化された情報をもとに、全社統合的に判断してプロジェクトを進めていくことが求められるのです。

(2)デジタル化した情報でPDCAを回す

例えば、あるメッセージを数千人に向けて伝えたい時。予算が潤沢ならばテレビなどマスメディアを使うという方法もあるでしょう。しかし実際には「低予算で」という前提がつくことも多々あります。また、マス媒体の場合には、施策の効果を数値で得られることが難しい場合もあります。

こうした時にデジタルマーケティングならば、低コストで数千人にメッセージを送るといったことが可能といえるでしょう。マスメディアに比べインパクトは少ないかもしれませんが、確実に効果が数値となって現れる点はメリットです。そして、その結果がログとして残りますので、その数値をもとにPDCAサイクルを回すことができるようになります。そして、こうした結果が蓄積することで、目的に向けて「最適な手法」を選択できるのも、統合的なデジタルマーケティングだからこそといえます。

(3)顧客行動の変化…O2O時代への対応

前章でも触れましたが、顧客行動に合わせたオムニチャネル化が必要な時代となりました。この点についてもう少し詳しく考えると、O2O(Online to Offline)への対応が挙げられます。
このO2Oには2つの側面があります。

1つは、その言葉通り、オンライン(Web)情報から店舗などに誘導するという面。例えば、ドリンク無料のクーポンがメールで届いたのでその飲食店に行く…というのが代表的な例でしょう。この「クーポンをメールで送る」というのは、すべての会員に一律で配信するわけではなく、裏側では「誰に」「どのタイミングで」ということを分類して送信するシナリオを持っています。このシナリオ作りが重要になるわけです。

2つ目は、ショールーミングとも呼ばれる消費者の行動です。これは、ある消費者が家電を買いたい時、Webサイトで情報収集し、量販店などで実物を見たり触ったりしてチェックし、購入は最も安いECサイトから行う…というような行動を指しています。
こうした行動に対し、実店舗で購入してもらえないならば、せめて自店舗のECサイトで購入してもらいたいもの。それには、リアルの店舗とWebサイト間での連携は欠かせません。こうした部分を考えても、統合的にデジタルマーケティングを実施する必要性がおわかりになるのではないでしょうか。

3.統合型デジタルマーケティングを実施するとどうなるのか?

前章ではデジタルマーケティングは「統合型」であるべき理由をいくつか挙げましたが、結局のところは全社的な目標とすべての部署が連動できることが重要、ということに集約できるでしょう。
しかしこれは言うほど簡単なことではないのは事実です。しかしながら、それを実現しているケースがありますので、ここでご紹介しましょう。

「無印良品」のデジタルマーケティング戦略を分析する

基本情報

無印良品を運営するのは、株式会社良品計画。「ネットとリアルの融合」をキーワードに、ブランド力を活かして自社サイト、アプリなどを利用したデジタルマーケティングを展開。その結果、EC売上高は124億6000万円(2014年2月期)。11年から3年連続で二桁成長を遂げている。

顧客へのアプローチ方法

会員向け…定期的にメルマガ配信。その内容は、商品情報や割引情報に加えて、無印良品が提案する暮らし方、ユーザーボイスなど「無印良品ならではの価値」などファン向け情報も配信。常にアクティブ化を促しサイトへ誘導する施策を実施している。PCやWeb向けECサイト、専用アプリ「MUJI passport」などマルチチャネルを用意。
非会員向け…SNSやYoutube、Web広告、オフィシャルサイトを通じたプル型のアピールを実施。

オムニチャネルとしての施策
  • ポイントを付与。店舗で購入した場合でも、ECサイトやアプリで購入した場合でも、会員には無印良品のポイントを付与。どのチャネルでも一貫してポイントを扱うことができる。
  • オンライン上で調べた商品が、どの店舗にあるのか在庫を把握することができる。
  • メルマガなどで付与されたクーポンは、EC店舗、実店舗双方で利用することができる。
統合型デジタルマーケティングとしてのメリット
  • 「性別」「年代」「マイルステージ」「購入商品」「累計購入金額・頻度」「利用店舗」、そして「実店舗での購買行動」を把握し、商品開発や顧客満足度向上に役立てられる。
  • 上記のデータを活用し、経営判断の材料にできる。
まとめ

店舗とECサイトを「別な存在」と意識させず、シームレスにつないでいる点に注目。無印良品の店舗ファンは多いことから、そのイメージを持って自由にWebと実店舗を行き来できることは、実は重要。そのような体制を作るためにも、「統合型」のデジタルマーケティングが不可欠だったと考えられる。

まとめ タグマネジメントツール導入を考える

企業にとってデジタルマーケティングは個別の施策ではなく、統合的であるべき。それが、売上の最大化に貢献する──。
「統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC:Integrated Marketing Communication)」とは、1990年に提唱された企業と消費者をあらゆる接点で結び付けようという考え方があります。多義的で複雑なので実現が困難な部分はありましたが、テクノロジーの進化とデジタルデバイスを使いこなす人々が増えたことで、この考え方が実現しようとしています。
マーケ@ITでは、統合型「デジタル」マーケティングと呼んでいますが、その意図するところは同じで、次世代を担うマーケティングの在り方と考えます。

今後、企業の目的である売上の維持・拡大のためにはマーケティングは欠かせません。そのマーケティングこそが、統合型デジタルマーケティングと言ってもよいでしょう。そして、このような効果的なマーケティング活動の結果は、消費者にとって高い満足度を与えるはずです。

つまり、統合型デジタルマーケティングを進めていくことは、自社にプラスになるだけではなく、顧客満足度向上…ひいては消費行動の活発化にもつながり、経済の活性化や豊かな社会の実現にも貢献する力を持つ──これが、マーケ@ITが考える、統合型デジタルマーケティングの“理想的な姿”です。そのためにも、マーケ@ITは、企業のシステム部門やマーケティング部門、営業部門の方々に役立つ情報を、随時提供していきたいと考えています。ご期待ください!

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更新日時:2018年8月23日 15時14分

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