【発生してからでは遅い】持続可能なDR対策を実現する3つのポイント

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自社に必要なDR(ディザスタリカバリ)対策は実施できていますか?
外部からの攻撃だけでなく、最近では自然災害が頻繁に起こっており、危機感を持っている企業も多いのではないでしょうか。
ここではコストを抑えながら持続可能なDR対策を実現するための3つのポイントを紹介します。

世界に占める日本の自然災害被害額

災害の多いイメージのある日本ですが、実際の世界における自然災害被害額とそれに占める日本の被害額の割合をご存じでしょうか。1985年から2015年までのデータによると、日本の国土面積は世界の0.25%とごく小さいにも関わらず、自然災害による被害額の割合は実に世界全体の17%を占めています。
近年では2011年3月に発生した東日本大震災が記憶に新しいですが、その後も日本では大規模災害が度々発生しています。これは日本で経済活動をしていく上で大きな課題になっています。インターネット環境の急速な発達により、膨大な通信データのもとでビジネスが行われる現代では、自然災害によって企業のデータが失われるリスクも見逃せません。
こうした背景を考えると、DR(ディザスタリカバリ)対策を通じた持続可能な経済活動の準備を整えていく必要があります。しかし、費用がかさむことを理由にDR対策の導入を躊躇する企業も少なくないのではないでしょうか。本コラムでは、最適な費用でDR対策を実現するためのポイントを解説していきます。

1.DR対策をとりまく日本企業の現状

日本企業のDR対策への実施状況を見ると、東日本大震災を境にBCP/DR(災害時の事業継続・災害復旧)への取り組みが活発化しました。朝日インタラクティブが実施した「企業のBCP/DR(災害時の事業継続・災害復旧)への対応状況と課題についてのアンケート」(2016年5月から6月にかけて実施)によると、BCP/DRの実施状況について、全体の29.4%が「東日本大震災以前から行っていた」と回答しており、一定の企業が課題意識を持ち、対策を実施していることが分かります。

しかし一方で、31.6%の企業が「検討したが対策は実施していない」「興味はあるがどうしてよいか分からない」「検討を行ったことはない」と回答をしています。DR対策の必要性と対策への課題意識を感じながらも実際には導入へ踏み切れていない企業も一定数存在していることが分かります。これほど自然災害が頻発する日本において、多くの企業がDR対策を躊躇している理由は一体どこにあるのでしょうか。

2.DR対策を留まらせる「運用コスト」

DR対策の課題として真っ先に挙げられるのが、「運用コスト」です。同アンケートの「自社ITシステムのBCP/DRを検討する上で課題となるのはどのようなことですか?」という質問の回答結果によると、全体の63.5%が「運用コストの増大」を課題のトップに挙げています。DR対策が重要だとわかっていても、限られた予算の中での導入は容易でないのが実情ではないでしょうか。DR対策は「万一のときのための保険であり、それ自体が売上を生み出すものではない」という意識もその背景にあると推測されます。

確かにDRサイト用のデータセンターを新たに確保し、本番サイトと同じ環境を設置・運用すれば、少なくとも2倍のコストが発生します。万が一の自然災害の対策のためにこれほどのコストをかけられる企業はそれほど多くないのが現実でしょう。

それではコストを抑えながら持続可能なDR対策を実現するためにはどのような対策をとれば良いのでしょうか。検討すべきポイントは、①BCP(事業継続計画)の策定、②クラウドサービスの活用、③マネージドサービスなど運用リソースのアウトソーシング活用の3点です。

3.持続可能なDR対策を実現する3つのポイント

BCP(事業継続計画)を策定し、復旧の程度を決める

1つ目として考えたいのは、災害発生時に発生し得る追加費用をどこまで許容するのか現実的な数値設定をすることです。数値設定を行う際に参考にしたいのが、RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)とRPO (Recovery Point Objective:目標復旧地点)です。

RTOは災害発生時からシステムを再稼働するまでの目標時間のことで、目標時間まではシステムがダウンしている状態になります。例えば注文受付のシステムの場合は、システムが停止すると商品・サービスの受注ができないので、RTOは短く設定する必要があります。
RPOは、復旧にあたり過去のどの時点までのデータを保障するかという目標値です。予算との兼ね合いを考えると、全てのデータを災害発生時に復旧させることは現実的ではありません。
RTOやRPOは予算や業務内容により企業ごとで異なるでしょう。これらの要件をBCPを策定することで明確にし、業務ごとに本当に必要な業務レベルを定義して、それに見合った対策を講じておくことが、費用削減の重要な鍵になります。

クラウドサービスを賢く上手に利用する

2つ目のポイントは、パブリッククラウドサービスの活用を検討することです。パブリッククラウドサービスの大きなメリットは必要なときに必要な分だけ利用できることです。バックアップシステムをクラウド上に構築すれば、普段はメモリやCPUなどのリソースを必要最低限に抑えながら運用ができます。災害が発生し、バックアップシステムを利用する必要が生じた場合だけリソースを追加することができ、その分費用を抑えることが可能になります。

しかし一方で、パブリッククラウドサービスの懸念事項もあります。長期間パブリッククラウド上で稼働させることになった場合に、現実的に継続利用が可能であるのかという点です。セキュリティ基準が自社ポリシーと合わなかったり、そもそも性能が思っていたほど出なかったり、クラウド環境を運用できるエンジニアがDRサイト側で確保できていないなど、多くの課題が潜んでいます。特に有事の際には利用者が殺到することが考えられる為、この懸念は顕在化する可能性があります。
これらの懸念を考慮し、良い部分は活用しつつ、確実なコントロールが必要とされる基幹システムについては、自社専有クラウド環境であるホステッドプライベートクラウドサービスを活用するなど、賢く使い分けることが重要となります。

アウトソーシングで人材不足をカバーする

3つ目のポイントは運用のアウトソースです。DRサイトのシステムを用意した場合、運用するための要員を確保しなければ、DRサイトを活用することができません。しかし、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「IT人材白書2016」でも指摘されているように、IT人材の不足が急務の課題として挙げられており、DRサイトの運用のために人材を確保するのは難しいというのが現状でしょう。そこで有効な手段となるのがアウトソーシングサービスです。

アウトソーシングサービスを利用すると、人材を確保して育成するコストの削減につながるだけでなく、専門の機材を準備するコストも省くことができます。またサービスによっては短期間で運用開始が可能であり、24時間365日対応してもらえるので、サポートを受けながら迅速にDR対策を進めていけるでしょう。

4.ポイントを押さえて有事の際にも確実な対応を

DR対策には多大なコストがかかることから、具体的な対策を講じることができなかった企業も多いことでしょう。しかし、本コラムでとりあげた3つのポイント、①BCP(事業継続計画)の検討、②クラウドサービスの活用、③マネージドサービスなど運用リソースのアウトソーシング活用の3点を踏まえることで、持続可能なDR対策が現実味をもって検討しやすくなります。有事の際にも慌てず対処できるよう改めて検討してみてはいかがでしょうか。

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更新日時:2019年8月28日 16時58分

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