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【知っておきたい】中国でAWSを使う時、注意すべき3つのポイント

ナレッジ

2016年にはGDPが1240兆円規模となるなど、ますます拡大する中国市場は、日本企業にとって魅力的なマーケットであり、製造の委託先としても大きな存在です。
その中国市場でビジネスを行うには、やはりITシステムが不可欠です。しかし、現地の法制度や商習慣、パートナーなどの問題もあり、日本でITシステムを調達する場合に比べて、企業の大きな負担になっているのも事実です。
この負担を軽減するとともにビジネス上の様々なリスクに備えるためにクラウドを活用したいと考えるのは自然な流れです。ただ、「中国でAWSは使えるのか」、「どこに相談すればいいのか」などわからないことも多く、クラウドが上手く活用できていないのが現状ではないでしょうか。

ここでは中国でAWSを上手に活用するためのポイントを解説していきますので、中国でも必要となるITシステムを検討するうえで参考にしていただきたいと思います。

1.中国でもAWSは使えるけど、落とし穴もある

グローバルとは異なり、中国大手IT企業(Sinnet)との共同運営の形をとっていますが、中国でもAWSが展開されています。ただし、注意点もあります。

通常、AWSでは1つアカウントを作れば、異なるリージョンを共通的に管理することでき、デプロイも共通のアカウントで行えます。しかし、中国は他のリージョンとは切り離されているために、別途、中国専用のアカウントが必要となりますが、現地法人がない場合には、アカウント自体が発行できません。
また、中国で提供されるAWSは、グローバルで提供されるている機能がフルに使えるという訳ではありません。例えば、本記事執筆時点では、「Route53」「VPN Gateway」といった機能は使えません。どの機能が使えるのかは、事前に確認してから、利用することをお勧めします。

2.前提として中国でのIT利用で押さえておきたいこと

AWSの利用の有無に関わらず、中国でWebに公開する仕組みを提供する場合は、必ずICP登録の申請を行う必要があります。この申請を行わないと、80/443ポートでの通信が制限されてしまいWeb公開ができなくなります。「申請できるのは現地企業のみ」といったのルールがあるので専門家と相談して対応しましょう。

また、中国版のサイバーセキュリティ法はご存知でしょうか?個人情報や重要情報の保管が中国国内に限定されていて、越境移転する場合には2018年12月31日までに対応しなければならないことなどが法律化されています。中国国内でデータを扱うのであれば、国内保存の義務に対応するため、クラウドを活用していても、現地にもIT環境を整備するといったことを考慮しておく必要があります。

3.エンタープライズ用途ならではの運用管理を

中国でAWSを利用する場合に、日本の運用管理の仕組みでまとめて管理したいというアプローチがあります。これ自体は誤っていないのですが、一つ問題があります。
日本側から運用管理を行う場合、国際回線経由で中国のAWS環境にアクセスする必要がありますが、国際回線でしばしば障害が発生してつながらなくなるということです。この時、システム監視では明確な原因がつかめず、原因不明で終わる様なケースもあります。

日本からの運用管理では、このような“不安定”な運用を受けいれる必要性が出てきてしまうので、エンタープライズシステムの運用としては不十分です。日中横断での運用監視体制を敷くソリューションプロバイダに委託して、日本と同じ運用レベルを確保しなければなりません。

4.最後に

ご紹介したように、中国でも現地のルールに対応し、運用管理の工夫などを行うことで、日本国内と同様にAWS環境を活用することができます。リスクのある他国でのビジネスだからこそクラウドのメリットを生かして、リスクを抑えながらビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。

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更新日時:2024年4月18日 15時15分