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挑戦のバトンを、次世代へ ― 2024 AWS Jr. Championsが語る“成長の現在地” ―

2024年、TISの若手エンジニアから安冨 良映と張 造運の2名がJapan AWS Jr. Championsに選出された。

担当プロジェクトにおいてAWSの導入と活用を自ら実践し、社内外のコミュニティでも積極的に発信を行う、まさに “次世代の旗手”と呼ぶにふさわしい2人だ。

(左から)TIS株式会社 安冨 良映と張 造運

今回のインタビューでは、TISの社内でAWS活用をけん引し、「Top AWS Ambassador」としても活躍する横井 公紀を迎え、3人の会話を通じてそれぞれの成長や挑戦の軌跡、そしてこれからの展望について掘り下げる。
AWSという共通言語を持つ3人が、互いの成長、挑戦、そして未来について語り合った。

誠実に、着実に一歩ずつ進む

― 安冨 良映が描く “変化を恐れない技術者像”

AWSを扱うエンジニアのキャリアをスタートして4年目。TISでAWSインフラの自動化や生成AIの活用などに携わる安冨 良映は、2024年、Japan AWS Jr. Championsに選出された。
インタビューに臨んだ安冨は、その名誉に浮かれることなく、「自分のやるべきことを、誠実にやるだけ」と語った。その姿勢に派手さはないが、確かな芯の強さがあった。

「最初はアプリ開発が志望だった」
振り返れば、安冨とAWSの出会いは偶然とも言えた。入社時はアプリケーション開発を希望していたものの、配属はインフラ系の部署。業務で出会ったAWSという技術が、彼のエンジニアとしての人生を大きく変えていく。
「面白そうで、将来性も感じられて、自分にとって魅力的に映ったのです」
この直感が、彼を “クラウド” の世界へと導いた。

「自分の活動が評価された実感」
AWS Jr. Championsに選ばれた瞬間を、「純粋に嬉しかった」と振り返る安冨。しかし、その喜び以上に大きかったのは “外部からの評価” によって得られた自信だ。
「普段の仕事ではなかなか外の人から直接フィードバックをもらう機会が少ない。でも、AWS Jr. Champions を受賞したことで、自分の取り組みが社外の目にも届いたんだと感じられました」
この経験をきっかけに、彼は技術力だけでなく「行動力」「発信力」の重要性に気づいていく。
社内外における生成AIの導入提案、インフラ自動化の取り組みに加え、豊洲会 (東京の豊洲地区のSIerの若手社員が集まる技術者コミュニティ) などの対外活動 ―― 安冨の活動の幅は、受賞後、確実に広がっていった。

「肩書きよりも、行動で示す」
リーダーとしての自覚を問われても、「まだまだ自分は引っ張るタイプではないです」と笑う安冨。しかし、現場では安冨の “手を動かす姿勢” が、後輩の信頼を集めている。
「特に何か指導っぽいことをしているわけではなくて、自然とOJTでのフォローをしたり、声をかけられたときに全力で応える。それだけです」
安冨にとってリーダーシップとは、「振る舞い」ではなく「関わり方」であった。安冨は、相談されやすい雰囲気を保つことを、最も大事にしている。一方で、意見がぶつかる場面では “対立を恐れない” というスタンスを貫く。
「より良くするための意見なら、ぶつかっていい。そこから前に進めることが大事だと思っています」

2024 Japan AWS Jr. Champions 安冨 良映

「技術の先にある“価値”を見据えて」
今、安冨が社内で取り組むテーマの1つが “生成AIの業務活用” である。
金融商品を扱うシステムのアーキテクチャ設計に携わる中で、どうすれば本質的にユーザーへ価値を届けられるか、そんな視点を持つようになり、大切にし始めたという。
「お客様が困っていることに応えるのがエンジニアの価値だと思っているので、まず “試すこと” を大事にしています。クラウドって、試せることが最大の強みなので」
この “まず動く” という行動指針は、安冨の勉強法にも現れている。
「気になったらすぐ調べる。スマホを封印して集中する(笑)。やりたいと思ったことを、迷わずやるようにしています」

「AWS Top Engineersを、目指して」
将来の夢を聞くと、少し照れながらも、彼ははっきりと言った。
「せっかくAWSに取り組んでいるので、Japan AWS Top Engineersを目指したいです」
さらに高い成果を披露できるようになるために、だからこそ、今まさに目の前にあることを置き去りにせず、全力で取り組む。
大きな目標に対して、日々の誠実な積み重ねを続けていく。その姿勢こそが、エンジニアとしての信頼を築いていく。
「自分のやっていることが、誰かの役に立っている――そう実感できることが、僕にとってのモチベーションです」

安冨 良映というエンジニアは、華やかさよりも誠実さで輝く “本質を忘れない実践者”だ。

悔しさの中から生まれた挑戦

― 張 造運が語る、AWSエンジニアとしての “再起動”

張 造運がAWSと出会ったのは、TISの新人研修であった。初めてAmazon EC2でWebサーバを立ち上げたときの「簡単に動いた」という驚きが、今でも忘れられないという。
「当時はほんの基礎レベルの操作でしたが、自分の手でWebサーバが動くという体験がとても印象的でした。“これは面白いな” と思ったのです」
今ではセキュリティソリューション部に所属し、セキュリティを軸としたプロジェクトに関わる傍ら、社外への発信や講師としての登壇にも積極的に取り組む存在にまで成長した。

2024 Japan AWS Jr. Champion 張 造運

「1度、落ちたからこそ燃えた」
張が語る、キャリアにおける最初の“転機”は、実は失敗の経験だった。
「2023年、最初にAWS Jr. Championsに応募したときは落ちてしまって。AWS Summit Japanで実際に選出者が集まる場にも行っていたのですが、そこに自分の名前がない。それが悔しくて悔しくて」
その悔しさが、彼の行動力に火をつけていた。次の年、2024年にリベンジを果たし、見事に選出された。
「再挑戦の結果が報われて、本当にうれしかったです。でも、そこで満足せず “ここからが本番だ” と自分に言い聞かせました」
AWS Jr. Championsの活動を通じて得たのは “技術力の成長” だけではなかった。
「AWS Ambassadorsの方々や他社のエンジニアと話す機会が一気に増えて、思考の深さや視座の高さを感じました。特に “目的のために技術を活かす” という感覚を、より強く意識するようになりました」

「価値を届ける、という使命感」
張が業務で最も大切にしている言葉は「価値を届ける」だ。
「お客様のビジネスに本当に必要なものを届けたい。そのためには、調べて、試して、技術に妥協しない。そういう姿勢を崩さないようにしています」
その想いは、彼の社外活動にも現れる。特に印象的だったのが、AWS初心者向けに実施した3時間超のセミナーだ。
「お客様向けに、AWSの基礎を一人で教えるという機会をいただいたのです。準備は大変でしたが、この機会で “人に伝えることで自分の理解も深まる” ということを実感しました」
セミナー後には、TISのAWS Ambassadorsである横井や野口も登壇した座談会が続き、自身の発信がチームの活性化にもつながったという。

「”解決できない課題はない” と考えて動く」
技術課題の解決においても、張は自らのプロジェクトで感じた準備の大切さを語っている。
「難しい問題も、要素を分解して1つひとつ解決していけば、意外と乗り越えられるものです。“棚卸し” して “分解” して、丁寧に潰していく。それだけです」
実践の積み重ねが、張の自信となり、安定感のある実行力につながっている。
また、チーム内の連帯についても、ドライでもウェットでもない “自然体” なアプローチを心がけている。
「困ったときはすぐ電話する。またはチャットで投げかける。リモートが多くても、話すきっかけを意識的につくるだけで、自然と連帯感が生まれてくると思って動いています」

「光を届ける人になりたい」
若手の成長にも敏感な張は、すでに “次の世代” を意識している。
「自分の話を聞いて、“自分もAWS Jr. Championsを目指したい” と言ってくれた若手がいたのです。それを聞いたとき、心からうれしかったですね」
今では、社内でチーム勉強会を企画し、製品やサービスを触る機会を “設計” して提供するなど、地道な育成活動にも取り組んでいる。
「“技術の分かるPM” になるのが、今の目標です。プロジェクトを動かす力と、現場の技術力の両方を持っていないと、本当の意味でお客様に価値は届けられないと思っているので」

「目の前の一歩が、未来を変える」
最後に、張はこれからAWSに挑戦する若手に向けて、こんな言葉を残した。
「最初はみんな不安だと思うし、自分もそうでした。でも、一つ興味を持ったことを調べていくうちに、気づいたら深くのめり込んでいき、周囲に語れるようになる。このような姿勢が歓迎されると思っています。まず小さな一歩から、踏み出してみてほしいですね」

次に進むために、過去を忘れない。
悔しさを胸に抱えながら、それを力に変える。

張 造運というエンジニアは、まさに “不屈の歩み” そのものだ。

次世代を信じて任せる

― 横井 公紀が語る、AWSとコミュニティが育つ組織のかたち

TISでAWSの推進を担い、社内外に多くの技術発信を行い、近年では文化の醸成にも力を入れている横井 公紀。2023年に日本で1名だけが選出されるTop AWS Ambassadorに名を連ねたその実績の裏には、技術だけにとどまらない “人と組織へのまなざし” がある。
今回のインタビューで、2024 Japan AWS Jr. Champions に選ばれた安冨と張の話に耳を傾けながら、何度も繰り返した言葉がある。
「若い人たちの力が、TISの技術力を伸ばし、ビジネスを前に進めてくれる。それを信じて任せることが、私の役割です」
言葉の節々に織り交ぜられた「信じて任せる」というフレーズが、横井の考えを良く表している。

AWS Ambassadors 横井 公紀

「昔とは少し違う雰囲気を感じる」
TISにおけるAWS技術者コミュニティの運営に、横井は早くから関わってきた。特に、AWS技術者のつながりを育む場「TAWS-UG(TIS AWS User Group)」の立ち上げと展開に、一人者として深くコミットしてきた一人だ。
「4~5年前までは “我々のチームが社内に情報を発信する場を作りたい” という思いからCCoE(Cloud Center of Excellence)が動いていました。一方通行の発信が多かった。今は、AWS Jr. Championsに選ばれたような、発信力のある若手社員が自ら発信するようになり、自発的に輪を広げる動きが見られるようになりました」
CCoEだけではなく、多くの社員が自分の考えや言葉でアウトプットを始めている。勉強会の開催、ナレッジの共有、社内外イベントへの登壇 ―― 強制しなくても「自然と場が生まれる流れ」ができているという。

「“肩書き”ではなく、“在り方”で引っ張る」
横井は、技術コミュニティを “上下関係のある場” にしないことを強く意識している。
「先に始めた人=偉いという文化では、若い人が入ってこられない。私たちベテランこそ、裁量を与えて “自由にやっていい” という空気を作る責任があると思っています」
そしてそれは、ただ若手に任せるだけではない。「自分たちもまた、在り方で示す」ことが大切だという。
「『周囲に良い影響を与える』という言葉を、若手だけでなく、自分自身も実践し続けなければいけない。それがコミュニティの継続性と活力につながると信じています」

「祝福される成長を、みんなで作ろう」
安冨と張の2人のAWS Jr. Championsが活躍する中、横井は “祝福できる文化“ の重要性にも言及する。
「成果を出した後輩の活躍を、素直に喜べる。そういう雰囲気にならないと、組織は育たないと思っています。周囲に良い影響を与え、お互いに支え合う環境を意識的に作っていくことが本当に大切です」
その一環として、横井は “光る存在“ を見つけ出して、応援する視点も持ち続けている。
「技術力を持ちながら、その表現力に個性のある若手が、何人か目に留まっています。それに、技術に尖っていなくても、文章やイラスト、ユーモアでコミュニティに貢献できる人もいます。そういった多様性を認める場を大切にしたいと思っています」

「最後は “人”」
未来を問われると、横井はあくまで “人” に焦点を当てて語った。
「これから新卒が毎年入ってきて、今のAWS Jr. Championsたちも、やがて会社の中で“先輩” になっていきます。その時に、今のような開かれた文化を脈々と引き継いでいけるかどうか。そこにすべてがかかっていると思うのです」
AWS技術の進化、クラウドネイティブな開発の加速、さらに生成AIの台頭 ――これからも新しい波は続いていく。だが、それにどう向き合うかを決めるのは、やはり「人」だ。
「トップに立ったと言われても、評価されても、天狗にならず、感謝を忘れない。そして、新人だった頃の気持ちを大切にする。それができる人が、これからの世の中を支えていくのだと思います」

挑戦の場を開き、若手の発信を後押しし、その背中を見せることで次世代を導く。

「次世代を信じて任せる」――それが、横井 公紀のリーダーシップだ。

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更新日時:2025年8月14日 15時23分