ヘルスケア事業 コストから投資へ 健康経営の取り組み
2021/11/11
健康経営への取り組みは、政府も後押ししていることから多くの企業が取り組み始めています。経済産業省が実施する「健康経営優良法人認定制度」では、大規模法人部門に1794法人が、中小規模法人部門に7933法人が認定されています(2021年現在)。
健康経営では、従業員の健康を増進するための経費は、「コスト」ではなく「投資」と捉えるのが基本的な考え方です。従業員が健康になることで生産性が向上し、その結果として業績向上する、さらには企業価値が向上するという効果が期待できるのです。本ブログでは、健康経営の基本的な考え方や今後の方向性について解説していきます。
1.ヘルスケア事業 健康経営におけるコストとは
まずは、健康経営に取り組むうえで認識しておきたい「コスト」について考えていきます。健康に関連するコストと言えば、「医療費」を連想する方は多いのではないでしょうか。医療費の適正化については、国の課題でもあり、健康経営においても決して小さくないコストです。しかし健康経営においては、「Presenteeism(プレゼンティーイズム)」という言葉が注目されています。プレゼンティーイズムとは、従業員が出勤はしているものの、何らかの健康問題によって生産性が低下している状態を指します。仕事を休むほどの症状ではなくても、頭痛や腰痛、アレルギーなど、様々な健康問題によって生産性が低下するということは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
米国のある研究グループの成果によると、企業の従業員の健康関連コストのうち、最大のコストがプレゼンティーイズムだという結果が出ています※1。プレゼンティーイズムコストは、医療費の約5倍という調査結果が出ています。よって、健康経営におけるコストを考える上では、医療費という直接的なコストのみならず、プレゼンティーイズムという間接的な損失にも目を向ける必要があるといえます。
※1 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000171483.pdf
2.ヘルスケア事業 コストから投資への切り替え
健康経営では、従業員の健康を増進するための経費は、「コスト」ではなく「投資」と捉えるのが基本的な考え方です。しかし、この考え方を浸透させることは簡単ではありません。ではどのようにして考え方を切り替えていけば良いのでしょうか。
一つの方法として、投資対効果の見える化が挙げられます。経済産業省が策定した「健康経営管理会計ガイドライン※2」では、健康経営における投資対効果を「見える化」することは、企業・個人ともに、より合理的な判断や行動をとる一助となると示されています。
このガイドラインでは、投資対効果の見える化のための指標として、取り組み状況を示す指標、従業員の行動や意識変容を示す指標、最終的な目標の指標という3段階に分類することが推奨されています。例えば、ウォーキングイベントの参加率、イベント終了後のウォーキング習慣の継続率、生活満足度の向上といった3段階の指標を設定することができます。企業の課題に合わせてこれらの指標を設定し、PDCAサイクルを回すことで目標の達成を目指します。
また、健康経営を実現するためには、従業員や投資家などのステークホルダーに対して取り組みの意義を理解してもらうことも必要です。健康への投資が具体的にどのような効果につながっていくのかをストーリーとして伝え、健康経営と経営課題のつながりの見える化を図ります。
このように、従業員の健康増進の取り組みを「コスト」から「投資」へ意識を切り替えて、投資対効果を評価していくことが健康経営においては重要となります。
※2 https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200612001/20200612001.html
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3.ヘルスケア事業 健康経営の今後の方向性
健康経営優良法人認定制度の普及や、投資対効果の見える化に向けたガイドラインの整備など、国が健康経営を後押しする動きは今後も継続すると考えられます。令和2年3月27日に閣議決定された「健康・医療戦略」の中でも、「職域・地域・個人の健康投資の促進」について明記されています。また、投資家もESGの観点から健康経営に注目しています。企業が従業員の健康にどの程度投資をしており、どの程度の効果があったのかなど、投資家はより詳細な情報開示を求めるようになるのではないでしょうか。さらに、従業員たちの健康に対する意識も変化しています。テレワークの普及や外出自粛によって体重変化への意識も高まっているといったデータもあります※3。
以上を踏まえると、現在は健康経営へ取り組む好機が到来しているといえるのではないでしょうか。既に健康経営に取り組んでいる企業はより質の高い取り組みを行い、効果を高めていくことが求められると考えられます。健康経営に取り組み始めたばかり、また、これから取り組もうとしている企業も、従業員の健康に投資をする機会と捉え、健康経営への取り組みがより活発化していくのではないでしょうか。
※3 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jisedai_health/kenko_toshi/pdf/024_02_00.pdf
4.まとめ
これまで、健康経営の基本的な考え方から今後の方針について解説してきました。健康経営に取り組む企業が増えることで、従業員の健康投資に関する様々な事例も増えていくことが期待できます。各企業は、お互いの取り組み事例を参照しながら、従業員の健康を企業価値の向上につなげる好循環を生み出していくと考えられます。
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