ヘルスケア事業 旅行と健康の関係
2021/12/28
皆さんは、ヘルスツーリズム※1という言葉をご存じでしょうか。ヘルスツーリズムとは、旅行を通して健康増進を図るというものであり、昨今のヘルスケア 産業への注目に伴って、新しい旅行スタイルとして広まりつつあります。新型コロナウィルスの流行を経て、人々の健康に対する意識が高まっていることから、旅を通して健康増進を実現するという考え方は今後普及することが期待できます。
本ブログでは、新しい旅行スタイルであるヘルスツーリズムについて解説しながら、旅と健康の関係について紐解いていきます。
※1 https://www.npo-healthtourism.or.jp/
1.へルスケア事業 新しい旅行スタイルへの期待
我が国では、観光立国の実現を目指すために2007年1月に観光立国推進基本法が施行されました。具体的な計画としては「観光立国推進基本計画」が2017年3月28日に閣議決定されています※2。本計画の中で「ヘルスツーリズムの推進」が掲げられており、「自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒され、健康を回復・増進・保持する新しい観光形態」として示されています。地域や民間とも連携して取り組みを進めることが記されていることから、地域の経済活性化という観点からも取り組みが計画されているのだと言えます。
経済産業省の次世代ヘルスケア産業協議会で示されたヘルスケア産業の中でもヘルスツーリズムについて示されています。健康志向旅行やヘルスツーリズムといった「遊・学」の領域の市場規模は、2016年の2兆3,800億円から、2025年には3兆2,000億円まで拡大すると推計されています。健康保持・増進に働きかけるヘルスケア産業全体のうち、約4分の1を占める市場規模になります。※3
さらに経済産業省の2015年度健康寿命延伸産業創出推進事業において、ヘルスツーリズム品質評価プロジェクトが推進されました。そして、2018年よりヘルスツーリズム認証制度が開始しています。この制度によって、ヘルスツーリズムで提供されるサービスプログラムの品質の「見える化」が行われるようになりました。2021年現在では、40を超えるプログラムが認証されています。
以上のように、ヘルスツーリズムという新しい旅行スタイルを普及させるための土台が整備され、国としても今後の市場拡大に期待を寄せていることが見て取れます。
※2 https://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/kihonkeikaku.html
※3 https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/jisedai_healthcare/pdf/007_02_00.pdf
2.生活者は旅行に何を求めるのか
続いて、生活者が旅行に何を求めているのかについて考えていきます。旅行を日常生活から解放される非日常と位置付け、リフレッシュや癒しを目的にしている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。つまり、多くの生活者は旅行に対して「いつもとは異なる体験」を求めているのだと考えられます。
また最近では、テレワークの普及によって働く(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」という言葉も浸透してきました。ワーケーションでは、「非日常の場所」で「働くという日常」を送ることになります。つまりワーケーションにおいても、「いつもとは異なる体験」をしたいと考えている方が多いのではないでしょうか。
以上を踏まえると、前述したヘルスツーリズムについても、非日常の体験を提供するということが重要になりそうです。健康は一朝一夕で得られるものではありません。そのため、旅行という非日常の体験を提供しながら、その体験を通して気づきを与え、旅行後の日常生活に戻った後も効果が持続するような旅が理想的なのではないでしょうか。
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3.ヘルスケア事業 旅行と健康の関係
そもそも旅行は、健康に対してどの程度の良い効果があるのでしょうか。ある実証実験では、在宅リモートワークとワーケーションを比べた場合、ワーケーションの方が業務生産性および心身健康の向上にポジティブな効果があったという結果が報告されています※4
さらに、観光庁のユニバーサルツーリズムの普及・促進に関する検討会で報告された「旅行による効用の検証結果のとりまとめ※5」によると、旅行中にリラックス効果が得られたと示されています。旅行経験者の主観としても、8割以上が健康増進効果に期待できると答えています。本検証は、高齢者や障害者に着目した効用の検証ではありますが、多くの方が経験として同様の実感をお持ちなのではないでしょうか。
これらの事例では、旅行の効果を定量的に示すために様々な手法が用いられています。例えば、ウェアラブルデバイスを常時装着し、活動量や睡眠時間等の行動データを収集して分析する方法が挙げられます。他にも、唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断をするといった方法もあります。これまでは、個人の主観でしか測ることができなかった旅行の効果について、ITや科学の活用によって客観的な検証が進んでいます。今後もこれらの検証によって、旅行と健康の関係がより明確になっていくことが期待できます。
※4 https://www.tis.co.jp/news/2021/tis_news/20210622_1.html
※5 https://www.mlit.go.jp/kankocho/page06_000075.html
4.まとめ
本ブログでは、ヘルスツーリズムという新しい旅行スタイルについて解説しながら、旅行と健康の関係について紐解いてきました。旅行を通して健康になるという考え方は、ヘルスケアに注目が集まっている昨今において、多くの方に受け入れられる考え方なのではないでしょうか。健康寿命の延伸のためにも、旅行を生活に取り入れながら健康的な日々を送るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
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