ヘルスケア事業の事例から見た”高齢者こそ利用するべきアプリ”とは?

2022/2/10
日本の平均寿命は年々上昇し、男性の平均寿命は81.41歳、女性は87.45歳(2020年)と毎年過去最高を記録しています。人生100年時代はもう夢ではなく、現実となる日も遠くはありません。このような状況の中、高齢になってもICT(情報通信技術)を上手く活用しながら、より良い生活を送っていくことが重要です。本ブログでは、筆者の経験を踏まえて高齢者こそ利用すべきアプリを紹介しながら、日々の生活に役立つ3つの事例を解説していきます。
1.高齢者へのICT普及
2021年6月に総務省より発表された「令和2年通信利用動向調査の結果※1」によると、インターネット利用者の割合は、60~69歳では82.7%、70~79歳では59.6%、80歳以上でも25.6%であり、シニア世代でのインターネット利用が普及していることが分かります。またインターネットを利用する機器は80歳以上を除いた全世代でスマートフォンがパソコンを上回り、スマートフォンが普及していることが分かります。
2021年6月には、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、「誰ひとり取り残さない、人に優しいデジタル化」が掲げられました。まさにシニア世代にも優しいデジタル社会を目指す方針が進められようとしています。
以上の動向を踏まえると、今後も高齢者へのICT普及が進むことが想定されます。高齢者がスマホアプリを活用する機会も増えてくるのではないのでしょうか。今こそ、ご自身やご家族の健康促進にスマホアプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※1 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/210618_1.pdf
2.ヘルスケア事業の事例①医師と家族をつなぐアプリ
ご家族との会話の中でこんな経験はありませんか?
娘:「今日の病院で先生からどんな症状だったと診断されたの?」
母:「忘れちゃったけど、大丈夫だって言ってたよ。でも、検査しなければいけないらしい。」
娘:「どうして検査しなければいけないの?」
母:「よく分からない。」など。
医療用語や病名などは高齢者の方にとって覚えることが困難であるため、ご家族が確認しても「分からない」「忘れた」と返されてしまうことが多いようです。繰り返し聞くことでご家族の負担になったり、高齢者に嫌な思いをさせることもあります。筆者も何度となく母と同じような会話を行い、不機嫌にさせてしまった経験があります。
家族としては詳細を知りたいが、何度も本人に聞くこともできず、遠方であれば直接病院に出向いて聞きに行くことも難しい。このような状況を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。この”困った”を解決する一つの方法として病院とご家族をつなぐアプリを活用することをお勧めします。
TISが提供する「ヘルスケアパスポート 」を活用いただくことで”困った”を解決できます。
<問診情報>
患者・ご家族向けのメモ画面「お知らせ/コメント」で医療従事者から患者・ご家族向けのメッセージ送信が可能です。「先生にどんな症状だったと診断されたの?」、「大丈夫だったの?」とご家族に不安な思いをさせることなく、直接医療従事者からご家族に通知してもらうことが可能です。
<検査値・処方・バイタル情報>
医療機関からの検査結果や処方内容が自動的に取得されます。「どんな結果だったの?」と何度も確認することなく、病院とご家族の間で正しい情報が共有できます。
病院とご家族をつなぐアプリとしてご利用してみてはいかがでしょうか。
3.ヘルスケア事業の事例②自宅で利用するアプリ
筆者が祖母の通院に付き添った時の、医師と祖母の会話をご紹介します。
医師:「お元気にしていますか?」
祖母:「はい、毎日散歩と掃除はかかさずに行っています」
筆者:(散歩?掃除?毎日?)
上記のように、病院では”よく見せたい“と見栄をはってしまうところがあるものです。
また、病院での血圧検査だと緊張していつもより高い数値が出てしまう、というお話も良く聞きます。
日々の食事・運動を含めた生活習慣を正しく記録して”データとして残す”、”一覧で見る”、”必要に応じて提示する”を行うことで、毎日の生活の中での気づきにつながることはもちろんのこと、通院時の医療従事者との共有も可能になります。
先程ご紹介した「ヘルスケアパスポート」の機能で”日々のデータ共有”が実現可能です。
<生活習慣・通院情報>
カレンダー形式で生活習慣をメモすることができます。例えばご自宅で毎日取得している血圧情報を入力しておくことで、通院時に共有することができます。
また食事の写真をアプリに投稿するだけで、日々のカロリーを管理することができ、栄養士のアドバイスを受けることもできる「カロミル ※2」や「Mealthy ※3」もお勧めいたします。
好きなものをお腹いっぱい食べることも幸せの1つですが、ご自身の体の変化に気づくことで、未病・予防につなげ健康に過ごすことも大切です。日々の生活習慣は1年後、5年後、10年後… のご自身やご家族の姿につながります。日々の取り組みが見えることによるモチベーションアップを楽しみながら活用したいものですね。
※2 https://www.calomeal.com/about-calomeal/
※3 https://mealthy.me/
4.ヘルスケア事業の事例③医師と患者をつなぐアプリ
筆者の祖母は、元々地方で独り暮らしをしていました。しかし自宅で骨折をしたことがきっかけで、上京し一緒に住むことになったのです。引っ越し後、自宅近くの病院に通院した際に付き添った筆者は、担当医に何度も祖母の骨折を説明し、その後に処方されているお薬の話をし、身長・体重を伝え、検査に行く他の病院でまた同じことを伝えと、同じことを何度も繰り返す経験をしました。高齢の祖母も「申し訳ないね」と疲れた表情をしていたことを覚えています。
こんな時、通院する病院と同じ情報が共有できたらどんなに患者・ご家族の負担が軽減されるでしょうか。「ヘルスケアパスポート」では、患者・ご家族の負担を軽減するために、医療従事者へ情報が連携される機能があります。
<生活者基本情報>
ID・氏名・生年月日・飲酒・喫煙・ジェネリックの希望有無・食物 / 薬剤アレルギー などを確認することができます。
<ペイシェントジャーニー>
直近の診察・検査・処方内容(生活者のペイシェントジャーニー)を確認することができます。
<診察・処方内容、検査結果>
電子カルテ、生活者のバイタル情報(身長、体重、体温、血圧、SpO2、血糖値、脈拍など)を確認することができます。
5.まとめ
本ブログでは、筆者の経験を踏まえて、高齢者こそ利用するべきアプリをご紹介してきました。デジタル庁による今後5カ年計画で実施されるデジタル化の施策「誰ひとり取り残さない、人に優しいデジタル化」により、スマートフォンを利用した各種行政サービスの申請や、マイナンバーカードと健康保険証情報の連携など、新たな行政サービスの普及が加速していきます。是非この機会に、ご家族と共にアプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
TISでは、豊富なヘルスケア領域に関するノウハウを活かして、スピード感をもった新サービス立上げをご支援する「ヘルスケア リファレンス アーキテクチャ導入サービス」をご提供しています。新規にヘルスケア事業を立ち上げられる方を対象とした、業界の基本情報から、実際に事業検討する際に欠かせない考慮すべき点をまとめた入門ガイドブック「ヘルスケア事業を始めるためのDX入門ガイドブック~ヘルスケアサービス検討のポイントと関連する規制とは~」をご用意しました。こちらをご覧いただくと下記のようなことが分かります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
ヘルスケア産業の概要
ヘルスケアサービスで考慮すべきポイント
ヘルスケアサービスで考慮すべき2つの規制(ガイドライン、指針)
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